プロットを作り、ストーリーを組み立てる
以前のマインドマップツール紹介で、アイデアを収集・深耕・整理して、ストーリーを作れる状態にすることをお話しました。
今回は、実際にストーリーを組み立てていく段階、すなわちプロットのお話をしようと思います。
今回も小説ベースでのお話になりますが、小説・漫画を問わず活用できると思います。
マインドマップ紹介記事はこちら↓

プロットを作るメリットとは?
少なくとも小説において、プロットは非常に重要なものだと私は考えています。
なぜならば、以下の二つの利点があるからです。
- 製作効率アップ
- クオリティアップ
製作効率アップ
私の場合、プロットありとなしで倍くらい製作時間が変わってきます。ありのほうが短いです。
頭の中のストーリーというのは、思っているより漠然としています。全てのことがらを脳内だけで決めておくのは無理があります。ときには、けっきょく自分が何を書きたかったのかすら分からなくなることもあるでしょう。
プロットは、あなたが書くべきことをまとめたリストです。
何を書くべきか分かっていれば、実際に作る段になってうんうん悩む時間を省けます。これが、作成時間を上回る時短をもたらしてくれます。
クオリティアップ
プロットというのは作品の骨組み、ストーリーの概観です。
それを生きた作品として出力するのは、本文執筆時にやることです。
プロットなしでは、ストーリーの作成と肉付けを同時にしなくてはなりません。
ですがプロットがあれば、ストーリーのみを考える段階と肉付けだけを考える段階を分離できます。
一つのことがらに集中できることが、結果としてクオリティアップに繋がると私は考えています。
プロットを作るのは良いことずくめ
上でご紹介したように、プロットを作ることには利点しかないといってよいです。
今までプロットなしでずっとやってきた、という人にも、是非一度作ってみてほしいなぁ、と考える次第です。
難しく考える必要はない
いいことづくめのプロット作りですが、と人に勧めると、以下のような反応をもらうことがあります。
正しいやり方がわからない……
本文を書くときにもっといい展開が思いつく……
これに関しては、難しく考えすぎでは? という風に思います。
正しいやり方は私も知りません。イイ展開が思いついたら、その時点で以降のプロットを組み直します。
そもそも、実際に他人様に見せるのは出来上がった作品の方です。自分がわかりさえすれば、やり方など気にせず「オレ流」でよいと思うのです。
その前提で、今回は私の「オレ流」をご紹介します。
難しく考えず、作り方は「オレ流」でよい。
プロット作成に最強のツール「Dynalist」
プロットの利点、難しく考える必要はないことをお伝えしました。
次はお待ちかね、どうやってプロットを作るのかについてお話します。
創作においては、手書きは素晴らしい方法論です。手を動かすことはインスピレーションを高めてくれます。
が、書いたことを消したり編集したり一旦わきに避けたりできないので、プロット作成において手書きは向いていない面もある、と言う風に私は考えます。
そこで役立つのが、クラウドアウトライナー「Dynalist」です。
Dynalistとは?
前述の通り、Webで使えるアウトライナーです。アウトライナーというのは、ざっくり超多機能な箇条書きツールです。
こいつがプロット作成には滅茶苦茶有用で、もう手放せないツールの一つです。
なお、Dynalistはフリーミアム、つまり課金すると機能が増える形式です。
しかし無料枠で使える機能がハチャメチャに優れています。プロット作成の目的においては実質無料です。
WorkFlowy使ってるんだけど……という人向け紹介
類似サービスとしてWorkFlowyというツールがあるので、そちらを使われている人向けにいくつか相違を紹介しておきます。
- 無料でもアイテム数に制限がない
- フォルダやドキュメントの概念があるので、プロットごとにドキュメントを分けられる
- もちろんドキュメント数にも制限はない
- WorkFlowyからImportする機能がある
- 外見を弄る機能が豊富なので、ブラウザのアドオンに頼らなくてよい
このあたりに不満を抱いている方は、乗り換え検討もアリです。
実際に作ってみる(完成例つき)
では、以前使った秘封倶楽部のエロ小説を例に、Dynalistを使ったプロット作成について説明します。
最終的に仕上がったプロットと、そこから書き上がった作品は以下から閲覧できます。
作品の流れを決める
まずは作品の流れを決めます。
だいたいどういう順番で何をするかざっくり決めて、大枠を固めてしまいます。
頭の中にはここでアレやりたいコレやりたいとか色々つまってるんですが、とりあえずは流れを定めることを優先して我慢。
細かな編集はこのあとにやっていきます。
流れを掘り下げていく
Dynalistは箇条書きツールです。ある項目の下に子供をぶら下げることができます。
先の手順で決めた流れを、少しずつ掘り下げていきます。
このあたりから少しずつ、頭の中にあるアイデアと実際のストーリーで整合性をとったりし始めます。
コツは一箇所を一気に掘り下げすぎないことです。
ある程度のところまで、全体をまんべんなく掘ることが、物語全体のバランスをとることに繋がります。
掘り下げたものをさらに深めていく
掘り下げていった流れをさらに深めていきます。
このあたりからは一箇所集中の掘り下げも解禁です。
また、ストーリーを作ると同時に編集も行います。
要らないなって思った部分を消したり、一旦脇に避けてみたり、変更したりと、試行錯誤です。
実際、当初考えていたオチをバッサリ削ったりしました。
こういう試行錯誤が手書きだと難しいところであり、Dynalistの大得意なことです。
いざ執筆!
出来上がったプロットを元に、ガリガリ書いていきます。
この時点では話の流れはかっちり決まっているので、あとはそれをどう表現するかに集中できます。
非常に楽ちんです。
まとめ
というわけで、今回は「プロットを作ると実際なにが嬉しいのか」「Dynalistを使ったプロット作り」について紹介しました。いかがでしたか?
プロットはあなたの作品製作の効率を高め、クオリティもグッと引き上げてくれます。Dynalistでのプロット作りを是非一度お試し下さい!